2024/9/11
【9/11開催速報】「生成AI時代のリスキリングサミット2024」基調講演レポート
生成AI時代のリスキリングを推進する国策のプロフェッショナルファーム、株式会社KIZASHI(所在地:東京都渋谷区、代表取締役:菅野 哲也、以下:KIZASHI)は、実行委員会幹事社として、「生成AI時代のリスキリングサミット2024」を2024年9月11日(水)および12日(木)に開催しています。初日にあたる本日の基調講演では、衆議院議員 小林 史明氏と、本サミットのエグゼクティブアドバイザーを務めるジャパン・リスキリング・イニシアチブ 代表理事 後藤 宗明氏が登壇しました。本記事では、基調講演の内容について、速報レポートをお届けします。
【生成AI時代のリスキリングサミット2024 開催概要】
生成AI時代のリスキリングサミットは、リスキリングを「人材を起点とした変革の手段」と定義し、リスキリングが日本企業の文化として根付くことを目的としたシンポジウムです。リスキリングの「今」に焦点を当て、最新動向や事例、サービス、ハウツーなどのコンテンツをお届けします。2024のコンセプトは、「VISIONING 〜経営ビジョンから逆算するリスキリングの第一歩〜」です。産官学の有識者の方々による、基調講演やパネルディスカッションを通じて、経営ビジョンの実現に向けたリスキリングの第一歩を踏み出すきっかけを提供します。
イベント特設ページ: https://reskilling-summit.com/
【基調講演1】8掛け社会のリスキリング(衆議院議員 小林 史明氏)
ルールが変わるということは成長のチャンスが訪れるということ
「まずはじめに、リスキリングはあくまで手段であり、目的になってはいけません。」という言葉から始まった本講演。リスキリングに取り組むためには、社会が向かう方向を認識し、その大きな社会変化の中で組織やチームはどう変化をしたいのかを目的設定した上で必要な人材やスキルを定義すべきだとし、小林氏及び国の取り組みについての紹介がありました。
1.アナログ規制の撤廃
書類への押印や、設備点検での目視、専門職の施設常駐のように対応手段の制限を法律で設定しているものを見直すことで、9669ものアナログ制限が撤廃され、経済効果は数兆円にも上ると言われています。テクノロジーの活用が拡大することによりスキルを持つ人の価値は数十倍に上がることになり、一人一人の個人がもっと意欲と能力を発揮する社会へと繋がります。約1万のルールが変わるということは1万のチャンスが訪れているということだと小林氏はメッセージを届けました。
2.スタートアップの育成の取り組み
補助金を入れて数を増やすだけではなく、スタートアップを取り巻く構造を見直し、大学からの技術移転を容易にする制度改革や、ストックオプション、株式報酬(RSU)の規制改革を進めています。これにより、スタートアップとどうコラボレーションするか、またそのためにはどのような人材が必要となるかが重要な視点となってきます。
8掛け社会は悲観するものではなく、希望となり得る
本講演で示す「8掛け社会」の背景とは人口減少と人手不足であり、2050年に人口が1億人を割り、2040年にエッセンシャルワーカーが2割不足するという予測に対し、これを10人の仕事を8人で回す社会と表現しています。
対応策の政府戦略として、生産性向上、賃上げ、消費拡大、成長産業への労働移動、リスキリングの好循環創出が挙げられ、社会課題のビジネス化や国内ソリューションの海外展開も重視されています。実現には、ジョブ型雇用導入、M&A促進、サーキュラーエコノミー注力、グローバル人材受入れが鍵となります。8掛け社会は1人当たりの所得増加と豊かな社会につながる可能性があり、組織や個人の変革=リスキリングが求められています。
8掛け社会は悲観すべきものではなく、個人がより意欲と能力を発揮できる社会への転換点だと強調し、個人や企業はどう変わっていこうかとイメージしながら本サミットを活用して欲しいと講演を締めくくりました。
【登壇者プロフィール】
自由民主党 衆議院議員 小林 史明 氏
「テクノロジーの社会実装で、多様でフェアな社会を実現する」を政治信条に規制改革に注力。行財政改革、労働市場改革、デジタル規制改革、放送・通信改革等に取り組む。現在は新しい資本主義実行本部で議論される経済構造改革、スタートアップ政策、社会保障制度改革を中心に、競争政策、党改革も推進している。第1-2次岸田内閣でデジタル副大臣兼内閣府副大臣を務め、デジタル臨時行政調査会を創設。事務局長として、見直すべきアナログ規制の調査を行い、一括改正に向けた計画を提言した。菅内閣府では内閣府大臣補佐官として、ワクチン接種促進事業を統括、VRSの開発・運用をリードした。広島県福山市出身。
【基調講演2】経営ビジョンから逆算するリスキリングの第一歩(ジャパン・リスキリング・イニシアチブ 代表理事 後藤 宗明氏)
リスキリングとは組織戦略としての人材育成
[1] 後藤氏は、AI時代に必要となるスキルについて講演を行いました。後藤氏は40歳からデジタルテクノロジー分野へのリスキリングを経験し、現在はリスキリングの啓発活動と共にAI関連をはじめ幅広くテクノロジー関連の仕事に従事しています。
リスキリングとは、組織が従業員に新しいスキルを再習得させることを指します。日本では「学び直し」という概念で捉えられがちですが、ハーバードビジネスレビューの特集によると、リスキリングは組織の戦略上必須であり、全てのリーダーとマネージャーの責任とされています。また、個人の自己啓発ではなく、業務の一環として行われるべきものだと主張されています。
後藤氏は、AIの台頭により人間の雇用が脅かされる可能性を指摘。業界・職種特化型の生成AIサービスも爆増しており、世界経済フォーラムの予測では、今後5年間で6900万件の雇用が生まれる一方、8300万件の雇用が自動化等で失われると発表されています。この状況下で、リスキリングの重要性がますます高まっているのです。
AI時代に求められる人間のスキル:学際的アプローチの重要性
AI時代に人間に必要とされるスキルとして、後藤氏は以下を挙げました:
1.AIの不正確さを見抜ける専門性
2.問いを立てる力(課題発見力)
3.マネジメントスキル
4.利害関係者を調整するスキル
5.ストリートスマート(実践的な知恵)
特に注目すべきは「学際的スキル」の概念です。これは、複数の専門分野を組み合わせ、複雑な問題解決や新たな洞察を生み出すスキルを指します。後藤氏は、この学際的アプローチが今後の人間の仕事として重要になると強調しました。さらに、高齢者の雇用環境の変化にも言及。AI・ロボット時代の到来により、定年後のキャリア形成が課題になるとし、リスキリングを通じて新たな人生とキャリアを自ら創造することの重要性を説きました。
後藤氏は最後に、個々人が持つスキルに何を掛け合わせれば問題解決につながるか、という視点を持つことの大切さを訴え、AI時代において、人間ならではの創造性と問題解決能力が一層重要になることを示唆し講演の結びとしました。
【登壇者プロフィール】 生成AI時代のリスキリングサミット2024 エグゼクティブアドバイザー
一般社団法人ジャパン・リスキリング・イニシアチブ 代表理事
後藤 宗明氏
早稲田大学政治経済学部卒業後、富士銀行(現みずほ銀行)入行。渡米後、グローバル研修領域で起業。米国の社会起業家支援NPOアショカの日本法人を設立に尽力。米フィンテック企業、通信ベンチャーを経てアクセンチュアにて人事領域のDXと採用戦略を担当。その後、AIスタートアップABEJAにてシリコンバレー拠点設立、AI分野の事業開発、研修企画を担当。2020年、10年かけて自らを「リスキリング」した経験を基に、リクルートワークス研究所にて「リスキリング~デジタル時代の人材戦略~」「リスキリングする組織」を共同執筆。2021年、日本初のリスキリングに特化した非営利団体、一般社団法人ジャパン・リスキリング・イニシアチブを設立。2022年、AIを利用してスキル可視化を可能にするリスキリングプラットフォーム、SkyHive Technologiesの日本代表に就任。石川県加賀市「デジタルカレッジKAGA」理事、広島県「リスキリング推進検討協議会/分科会」委員、経済産業省「スキル標準化調査委員会」委員、リクルートワークス研究所 客員研究員を歴任。
政府、自治体向けの政策提言および企業向けのリスキリング導入支援を行う。著書『自分のスキルをアップデートし続ける「リスキリング」』、続編『新しいスキルで自分の未来を創る「リスキリング実践編」』、『中高年リスキリング』(朝日新聞出版)を上梓。
【KIZASHIについて】
KIZASHIは、「国策を企業に実装する。」をミッションに掲げる国策のプロフェッショナルファームです。経済産業省や厚生労働省をはじめとする官公庁と連携し、国策を深く理解して企業の成長に結びつける事業を展開しています。国策という未来へのヒントを紐解くことで、より多くの企業が兆しに向き合える日本社会を目指します。
▼ 会社概要
名称 :株式会社KIZASHI
設立日:2021年10月
所在地:東京都渋谷区神泉町9-1 Daiwa渋谷神泉ビル4F
代表者:代表取締役 菅野 哲也
URL :https://kizashi-co.jp/
▼本件報道/サミットに関する問い合わせ
生成AI時代のリスキリングサミット実行委員会
幹事社:株式会社KIZASHI 内
担当:奥山、松岡
E-mail:media@kizashi-co.jp